AQUOSケータイ SH-N01：Android搭載のSIMフリーガラケー(ガラホ)

カスタム研究所【Android】AQUOSケータイ SH-N01：Android搭載のSIMフリーガラケー(ガラホ)

ちょうどMVNOを乗り換えようと思ってた時に楽天モバイルが新料金プランを発表しました。
新料金のスーパーホーダイは、事務手数料さえ抑えられれば「かなり安い」プラン体系です。

それに追い打ちをかけるように楽天スーパーセールも始まりました。
楽天モバイルの「端末セット」で契約すれば、事務手数料が0円(端末売価に含まれる)になります。

楽天モバイルのセール端末の中に１機種だけガラケー(ガラホ)がありました。
SHARP AQUOSケータイ SH-N01が税込み1000円でした。

ふと、ガラホってどんな感じなんだろ？
と思ったので試しにSH-N01を購入してみました。

なので今回はSH-N01を実機レビューしてみようと思います。

SH-N01のご紹介

SH-N01はSHARPから発売されているSIMフリーガラケーです。
ガラケーにAndroid OSを搭載して、スマホ機能が使えるようになったので「ガラホ」とも呼ばれています。

SHARPでは取扱製品を『スマートホン・タブレット』と『携帯電話』という大分類に分けていて、
『携帯電話』カテゴリの中の【AQUOSケータイ】というブランド名です。

SHARP製品ラインアップ
https://www.sharp.co.jp/products/shn01/index.html

卓上ホルダ付き

SH-N01には標準で卓上ホルダが付いています。
USBケーブルで充電することも可能ですが、やはり卓上ホルダにポンと置くだけというのは楽チンです。

クイックオープン

本家Pシリーズ(パナソニック製ガラケー)と違って造りが安っぽいです。
ボタンを押した時の感触が軽すぎて今にも壊れそう。
内部でプラスチックの突起に引っ掛けてるだけって感じなので、何百回も使ってたら壊れるような気がします。

ちなみにSHARPでは「クイックオープン」という呼び名で、
パナソニックは「ワンプッシュオープン」、
「ワンタッチオープン」はNECでの呼び名だそうです。

スペック

AQUOS ケータイ SH-N01｜製品ラインアップ
https://www.sharp.co.jp/products/shn01/index.html

対応バンド

SH-N01の対応バンドは以下の通り。

SH-N01を取扱いしてる格安SIM業者は、

・楽天モバイル
・IIJmio(みおふぉん)
・イオンモバイル
・スマモバ

の4社のみ。

どのMVNOでも「ドコモ回線での動作確認済み端末」として掲載されているし、
SHARP公式サイトにも「VoLTE対応」としか書かれていないので知らなかったんだけど、
実はSH-N01はau VoLTEにも対応しています。

Lyが持ってるUQ Mobileのau VoLTE SIM(マルチSIM)で、
通話・データ通信・SMS送受信できることを確認済みです。

【CDMA2000は？】
SH-N01の対応バンド表を見ると、
CDMA2000の利用バンドである「バンドクラス0(800MHz)」と「バンドクラス6(2.1GHz)」がありませんので、
SH-N01はCDMA2000には非対応だという事が分かります。

CDMA2000非対応という事は、
SH-N01は「au IC Card」のSIMカードは使えないという事です。
※mineoで言うところの「Aプラン nanoSIM」は使えないという事です。

ちなみにLyは「au IC Card」「ソフトバンク」「Y!mobile」のSIMカードは持ってないので動作未確認です。

基本操作

通常のガラケー同様に物理キーによって操作を行います。
ですがSH-N01には「タッチクルーザーEX」というタッチパッド的な機能が付いています。
タッチクルーザーEXについては後述しますが、これがなかなか使いづらいんです(笑)

その他、SH-N01の基本操作に関しては割愛しますので詳しくは公式サイトをご覧ください。

SH-N01 FAQ一覧
https://sharpmobile.zendesk.com/hc/ja/categories/115000932807

SH-N01 取扱説明書ダウンロード
https://k-tai.sharp.co.jp/support/other/shn01/manual/index.html

タッチクルーザーEX

SH-N01の物理キーにはタッチセンサーが内蔵されているので、指でなぞればタッチパネル代わりに使えます。
操作感としてはノートPCのタッチパッドみたいな感じでタップやダブルタップやピンチインアウトも可能です。

【AQUOS K SHF33】タッチクルーザーEX （ポインタ）の操作方法 – au
https://www.au.com/support/faq/view.k167434341/

タッチクルーザーEXの使いかた – 取扱説明書 – SoftBank
https://help.mb.softbank.jp/aquos-keitai/pc/03-02.html

ただしキーとキーの間に隙間(センサー無し部分)があるのでポインタがよく飛びます。
また、指先ではなく指の腹でなぞらないと上手く動いてくれません。
なかなかクセのあるタッチパッドです(笑)

通常時はタッチクルーザーEXは休止しているので、物理キーの「通話ボタン」を長押しする事でポインターが表示されます。
もう一度「通話ボタン」を長押しするとタッチクルーザーEXが無効化されます。

ちなみにタッチクルーザーEXが使えない場面も多々もあります。

ハードウェア制御だからどんな時でも使えると思ったら大間違いです(笑)

インターネット機能

インターネットボタンからは、SH-N01の標準ブラウザを利用できます。
画面の拡大縮小やテキストのコピペもできます。

USER AGENTは、
『Mozilla/5.0 (Linux; Android 5.1.1; SH-N01 Build/SA070) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Version/4.0 Chrome/39.0.0.0 Mobile Safari/537.36』
です。
SH-N01はSIMフリー端末なのでキャリア名が省かれています。

メール機能

メールボタンからはSMSとEメール機能を利用できます。
簡易的なメーラーアプリがプリインストールされているので、POP3やIMAPやSMTPを設定して使う事ができます。

Gmailを設定する時だけGoogleアカウントのログイン画面が出てきます。
これ以外の場面でGoogleアカウントのログイン画面が出る事はありません。

SH-N01ではプッシュ通知不可なので、メールサーバーへの定期チェックを設定できるようになっています。

電話帳

「Google連絡先」との同期はできません。
1件づつ手打ちするか、他端末からデータ引継ぎを行うしかありません。
データ引継ぎは、microSD経由とBluetooth経由の2種類に対応しています。

でかレシーバー

耳元にある内蔵スピーカーのボリュームを上げると、かなり大きな音になります。

音楽鑑賞とは無縁なガラケーなので内蔵スピーカーはこの1個だけです。

通話録音機能

通話録音というより音声メモです。
最大5分までの音声メモを30件まで録音できるそうです。

【SH-N01】通話を録音できますか？
https://sharpmobile.zendesk.com/hc/ja/articles/115005654007–SH-N01-%E9%80%9A%E8%A9%B1%E3%82%92%E9%8C%B2%E9%9F%B3%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%99%E3%81%8B-

Bluetooth

Bluetoothイヤホンはもちろん、Bluetoothリモコンも使えました。
可もなく不可もなく「一般的なBluetooth機能」という感じです。

テザリング

SH-N01をアクセスポイント(親機)として、他の端末でインターネット接続が可能です。
Wi-FiテザリングとBluetoothテザリングが可能です。
こちらも可もなく不可もなく「一般的なテザリング機能」という感じです。

PASSNOW

PASSNOWはシャープオリジナルの「端末連携アプリ」です。
SH-N01と他端末をBluetoothで接続(連携)させて、ファイル転送や画面のミラーリングが可能になります。
また、SH-N01への着信を他端末にお知らせする事もできます。
詳しくは公式サイトをご覧ください。

【SH-N01】PASSNOWで何ができますか？
https://sharpmobile.zendesk.com/hc/ja/articles/115005816368–SH-N01-PASSNOW%E3%81%A7%E4%BD%95%E3%81%8C%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%99%E3%81%8B-

SHSHOWアプリ

SHARP製品に関する情報や活用法が満載のWebサイトにアクセスできるアプリです。
べつにアプリである必要は無いくらい「情報だけ」が満載です(笑)

SHSHOWアプリに特別な機能はありません。
ただのWebサイト閲覧アプリです(笑)

SHARP以外の端末にもインストールできるので、
興味を持ってしまった方はGoogleプレイストアからご利用ください。

SHSHOW
https://play.google.com/store/apps/details?id=sharp.jp.android.makersiteappli

社外アプリは使えるのか？

SH-N01はGoogle Playストア非対応なので新たなアプリをインストールする事が出来ません。
そもそもSH-N01には、Androidスマホの定番である「Googleアカウントでログイン」という概念がありません。

ですがSH-N01の中身はAndroidなのでAPKを利用すればインストールする事は可能です。

試しにLyが主に使っているアプリを色々と入れてみました。

以下に社外アプリの動作状況をまとめておきます。

【CPU-Z】
起動OK／操作OK

【Google Earth】
起動OK／操作OK

【Gmail】
Gmailアプリ自体は起動すらできないが、プリインストールされているメールアプリにGmailアカウントを追加できる
※プッシュ通知不可／定期チェックのみ可

【Instagram】
起動OK／操作OK

【K-9 Mail】
起動OK／操作OK／送受信OK／定期巡回OK

【LINE(ライン)】
起動OK／操作OK／プッシュ通知OK
※なぜかLINEアプリだけプッシュ通知が受け取れた

【Pinterest】
起動OK／操作OK／投稿OK

【Send Anywhere】
起動OK／転送OK

【Speedtest.net】
起動OK／操作OK／速度測定OK

【TuneIn Radio】
起動OK／操作OK／ちゃんと聞けた

【Twitter】
起動OK／操作OK／ツイートOK

【VLC for Android】
起動OK／MP3とMP4の再生OK

【Yahoo! MAP】
起動OK／操作OK

【Yahoo!カーナビ】
起動OK／操作OK／ナビOK

【Yahoo!メール】
起動OK／操作OK／送受信OK
※プッシュ通知は不可

【Yahoo!防災速報】
起動OK／操作OK
※プッシュ通知が不可だから意味無いかも

【Youtube】
起動すらできない

【Googleドライブ】
起動すらできない

【Googleマップ】
起動OK／操作OK

SH-N01にはタッチパネルが無いので独特の操作感になってしまうが、タッチクルーザーEXを使えば何とか操作できそうです。
ただしプッシュ通知機能(FCM)を提供してくれる「Google開発者サービス」がインストールできないので、
プッシュ通知必須のアプリは起動すらできないようです。

インストール方法

SH-N01でAPKファイルを実行してもインストールできません。
なのでSH-N01とWindows PCをUSBケーブルで接続して、PC側からADB操作でインストールする事になります。

※すでにADB環境が整っている前提で解説します。まだの方は「Android Tips：最も簡単なADB環境の作り方」をご覧ください。
※「PCのDドライブ／APKフォルダ／」内にAPKファイルを置いた前提で解説していますので、各自の環境に合わせて読みかえてください。

１、コマンドプロンプト(管理者)を起動

２、【adb devices】と入力してEnter

３、【adb install D:\APK\ファイル名】と入力してEnter
※APKのファイル名に「半角スペース」が入っている時は、スペースは削除すること！
※APKのファイル名に「日本語」が入っている時は、半角アルファベットに打ち変えること！

インストール中はカーソルが点滅します。
SH-N01のSoCが非力なので数十秒ほど待たされます。

４、「Success」と表示されればインストール完了

５、SH-N01側で「制限せずに使用する」を選択しましょう。

６、自動的にアプリ一覧画面に戻ったらインストール完了です。

【備考】
もし
『Failure [INSTALL_FAILED_NO_MATCHING_ABIS]』
と表示された場合は、APKファイルがSoCのアーキテクチャに適合していないという事です。
例えばSnapdragon向けに作られたアプリをintel搭載端末にインストールしようとした時などです。
これはスマホからApk Extractorを使ってAPKを抽出した時に起こりやすいです。
そんな時は、Google Play ストアで目的のアプリページを開き、そのURLを「APK Downloader」に張り付けて、直接ダウンロードする事で解決できます。

APK Downloader
https://apps.evozi.com/apk-downloader/

サポート窓口

普通ならキャリアやMVNO等の「販売者」がサポート窓口になるんですが、
SH-N01はSIMフリー端末なのでメーカーに専用窓口が用意されています。

シャープデータ通信サポートセンター(SIMフリー端末)
電話番号 050-5846-5418
受付時間 10:00～17:00
（12/31、1/1を除く毎日）

SHARP SIMフリー端末 サポート
https://k-tai.sharp.co.jp/support/other/repair.html

メーカー保証

SH-N01の保証は、格安SIM事業者(MVNO)が購入者情報を基に保証管理するような方式ではなく、
一般家電製品と同じ「保証書と購入証明書(要購入日記載)」でメーカー保証を受ける方式です。

メーカー保証に関してMVNO(販売者)は完全ノータッチで、直接メーカーに相談してくれ。との事でした。

1年間のメーカー保証規定では「引き取り修理」が基本のようで、
サポート窓口が宅配業者を手配して、ユーザーの要望通りの日時に宅配業者が集荷してくれる。という流れです。

Lyの感想

SH-N01は、昔のガラケーに毛が生えたような端末です。
できる事も限られてるし操作も限られています。
「通話さえできれば十分」と考えている方にとっては画期的かつ斬新な機種かもしれませんが、スマホ慣れしたLyには物足りない機種です。

SIMカードがVOLTE契約であれば、テザリング中に着信があっても通話可能です。
なので「通話ができるモバイルルーター」という位置づけなら用途が広がるかもしれません。
ただしバッテリーが小さいのでテザリングすると電池がガンガン減っていきます。

あとOSがAndroid 5.1.1なのでDozeモードがありません。
なのでバックグランドアプリが勝手に落ちる事もありません。
逆に言うと「アプリがずっと稼働中」という事なので、通常時の操作感が全体的にモッサリしますし、電池の減りも早くなります。
アプリを減らすと明らかに動作がキビキビします。
アプリの入れすぎには要注意ですね。

今回は税込み1000円で買えたので「面白かった」と言えますが、
もし1万円超えなら絶対に買わなかったと思います。

久しぶりにガラケー時代に戻った気分でした。